【連続取材】グリーフケアサロン「てとて」第1部|悲しみに意味を与えないという選択

【連続取材|グリーフケアサロン「てとて」第1部/全4部】
悲しみに「意味」を与えないという選択 ―― グリーフケアとは何か ――

📌この記事の3つのポイント
  • グリーフケアとは何か、今の考え方をやさしく整理します
  • 悲しみは「時間が解決するもの」ではない、という視点
  • 亡くなった人に意味づけをしない、というひとつの選択

はじめに

「グリーフケア」という言葉を、知っていますか?

私は看護師として、訪問看護の現場で終末期の患者さんやご家族と関わり、グリーフケアについても、教科書的な知識や関わり方を学んできました。

その場で寄り添うこと。声をかけること。そっと見守ること。

けれど、関わりが終わったその先――残された人が、どんな日常を生きていくのかまでを、想像し続けることは、簡単ではありませんでした。

グリーフとは、「悲嘆」のこと

グリーフとは、日本語では「悲嘆」。大切な人や、大切なものを失ったときに生まれる、深い悲しみのことです。

それは、死別だけではありません。離婚、病気、仕事、健康、居場所。ペットとの別れも、グリーフのひとつです。

グリーフケアサロン「てとて」では、主に死別による悲嘆を抱えた人たちが、同じ空間に集い、それぞれの時間を過ごしています。

「時間が経てば癒える」は、本当でしょうか

以前は、「悲しみは時間が解決するもの」と言われることが多くありました。

けれど、今のグリーフケアでは、悲しみはなくならない。悲しみと共に生きていく。という考え方が主流になっています。

無理に前を向かなくていい。悲しみを消そうとしなくていい。

その人の中にある悲しみも、その人を形づくる大切な一部として、一緒に生きていく。

この考え方を知ったとき、私は少し、肩の力が抜けた気がしました。

亡くなった人に、「意味」を与えないということ

取材の中で、とても印象に残った言葉があります。

「亡くなった方に、意味づけはしません。」

Chikaさんがそう話してくれたとき、それは「意味を見つけてはいけない」ということではなく、意味づけは、本人が見つけるものであって、周りの人が与えるものではない、という考え方なのだと感じました。

突然亡くなったお姉さんのことも、少しずつ弱っていったご主人のことも、「こういう意味があったのだ」と誰かが言葉を当てはめることはしない。

もし、意味を見つけられる日が来るとしたら、それは、その人自身の時間の中で、自然に生まれるもの。見つけられなくても、それもまた、ひとつのあり方なのだと、「てとて」の代表Chikaさんは話してくださいました。

▶ 松山かなの感想

悲しみを整理しようとしなくていい。乗り越えなければ、と急がなくていい。

そう言ってもらえた気がして、とても静かな安心感がありました。

次回予告|連続取材 第2部

次回は、Chikaさんご自身の喪失体験と、「支援者ではなく、仲間として関わる」という姿勢について、もう少し深く掘り下げていきます。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)

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