鈴鹿市の広報はどう届いている?―3つのアンケートから見える“いま”

第1部

鈴鹿市の広報はどう届いている?
― 3つのアンケートから見える“いま”をやさしく整理 ―

文:すずこれ編集部

鈴鹿市が令和6年度に実施した「広報活動に関するアンケート」では、市民・自治会・市公式LINE利用者の3つの対象から、合計約1,800件の回答が集まりました。
この第1部では、3つのアンケートを重ね合わせて見ていくことで、鈴鹿市の広報が「いま、どのように届いているのか」を、生活者の視点からやさしく整理していきます。

◆ はじめに

今回のアンケートは、

  • 市民アンケート(有効回答 1,071 件)
  • 自治会長アンケート(有効回答 365 件)
  • 市公式LINE登録者アンケート(有効回答 353 件)

という3つの視点から、鈴鹿市の広報の「届き方」を立体的に映し出す貴重なデータになっています。

第1部では、細かい課題や改善点に入る前に、まずは「全体像」をつかむことをゴールにしています。

◆ 1. 情報はどうやって市民に届いているの?

まず明らかになったのは、鈴鹿市の情報は「紙+地域のネットワーク」が中心になっているという事実です。

● 市民の主な情報源(複数回答)

市民アンケートで「市政情報を主にどこから得ているか」を聞いた結果:

  • 広報すずか:84.6%
  • 回覧板:40.0%
  • 新聞:15.6%
  • 市ウェブサイト:16.5%
  • LINE:9.9%

「広報すずか」が圧倒的に読まれており、特に70歳以上では9割近くが情報源として挙げています。一方、20〜40代ではLINEやホームページの利用が徐々に増えており、世代によって情報の入り口が異なることが見えてきます。

◆ 2. 市公式LINEは便利だけど、登録者は少なめ

市公式LINE登録者へのアンケートを見ると、利用している人の満足度はかなり高くなっています。

  • 「役立っている」+「どちらかというと役立っている」:84%超

一方、市民アンケート全体で見ると、

  • 市公式LINEを「友だち追加している」市民は15.6%

という結果でした。

つまり、「使っている人からは高く評価されているけれど、そもそも使っていない人がまだ多い」というギャップがあることがわかります。今後、「どうやってLINEの存在を知ってもらうか」「どうやって登録してもらうか」が大きなテーマになりそうです。

◆ 3. 自治会は“地域の情報ハブ”になっている

自治会長アンケートは、回収率が91.9%と非常に高いのが特徴です。それだけ、自治会が地域の中で情報の受け手・送り手の両方を担っていることの裏返しとも言えます。

自治会では主に、

  • 広報すずかの配布
  • 回覧板の回付
  • 地域行事・防災訓練などの案内

といった「最後の1マイル」の役割を担っています。

第2部で詳しく触れますが、その一方で、配布の負担感担い手不足も見えてきており、今後の広報のあり方を考えるうえで避けて通れないポイントになっています。

◆ 4. 紙とデジタル、どちらが市民に合っている?

3つのアンケートを横並びにしてみると、「紙が届きやすい人」「デジタルが届きやすい人」がはっきりと分かれていることも見えてきました。

● 紙が強い層

  • 高齢層(60〜80代)
  • 回覧板をよく利用している世帯
  • 自治会の役員・自治会長

● デジタルへの意欲が高い層

  • 20〜50代の働き世代
  • 子育て世帯(特に就学前〜小学生の家庭)
  • 市公式LINEを利用している人

この結果から、鈴鹿市の「情報の入り口」はひとつではなく、世代や生活スタイルごとに複数のルートが存在していることがわかります。

◆ 5. 情報の“最重要ニーズ”は3つで共通

市民・自治会・LINE利用者のそれぞれに、「今後、特に力を入れて発信してほしい情報は何か?」と尋ねたところ、どの対象でもトップ3はまったく同じでした。

  1. 防災・安全
  2. 健康づくり・医療
  3. 保険・福祉

日々の暮らしや、いざという時の安心に直結する情報ほど、関心が高いという傾向がはっきりと表れています。観光やイベント情報ももちろん大切ですが、まずは「生活の土台」に関わる情報が強く求められていると言えそうです。

◆ 6. まとめ(第1部の総括)

三つのアンケートから見えた“現状の全体像”を、あらためて整理すると次のようになります。

  • 鈴鹿市民の情報源は、いまも紙の「広報すずか」が中心
  • 自治会は、情報を家庭に届ける「地域の情報ハブ」として重要な役割を担っている
  • 市公式LINEは利用者からの評価が高い一方で、登録している市民はまだ少ない
  • 若い世代ほどデジタル中心、高齢世代ほど紙と回覧板中心という傾向がある
  • 「防災・医療・福祉」の情報は、どの対象からも最優先のニーズとして挙がっている

この「現状の地図」を押さえたうえで、第2部では、アンケート結果にあらわれた具体的な課題やモヤモヤを、データに沿ってもう少し深く見ていきたいと思います。

今回のデータを見て改めて感じたのは、「情報の届け方には“その人の暮らし方ごと”の形がある」ということでした。

看護師としても、地域にいる一人の母としても、高齢の方には紙の安心感があり、子育て世代にはスマホ通知のほうが届きやすいことを日々実感します。

どちらか一方ではなく、いろいろな暮らしの形に寄り添える広報が必要なんだな…と、アンケートの数字を読みながら、しみじみ思いました。

松山加奈(看護師/「すずこれ」編集長)

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