サンドイッチは「笑顔と元気のもと」——アウルグリーンの物語

文:松山かな(看護師/すずこれ編集長)

📌 この記事の3つのポイント

  • 職人としての探究心が生み出す「サンドイッチ専用の食パン」
  • 夫婦ふたりで支え合い、コツコツと続けるお店の姿
  • 地域の人々の思い出や暮らしに寄り添うサンドイッチ

1. パン作りの歩みと探究の先にある一枚

アウルグリーンの店長は、製菓学校を卒業後にパン職人としての道を歩み始めました。パン屋やケーキ屋での修行を重ね、数々の生地と向き合う日々。 その経験が今、「サンドイッチに合う食パン作り」という一つの答えにつながっています。

食パンとひとことで言っても、季節や水分量、砂糖や塩の配分によって味わいや食感は大きく変化します。ほんのわずかな違いが、口に入れた瞬間の印象を左右するのです。 「どれだけ探究してもゴールがない」——そんな奥深さに魅了され、日々の焼成に挑み続けています。

その結果生まれるのが、サンドイッチにぴったり寄り添う食パン。シンプルだけれど一口で違いを感じる、アウルグリーンならではの一枚です。

2. 夫婦二人三脚で歩む日々

お店はご夫婦ふたりだけで営まれています。開店準備から仕込み、販売、片付けまで。すべてを共にしながら日々が流れます。

「同じ方向を向いて頑張れることが、一番の強み」とご夫妻は話します。店のこと、家族のことを一緒に考えられるからこそ、自然に家事も分担できる。お互いの働きぶりを理解できるから、支え合いも無理なく続くのです。

もちろん、大変な時期もありました。売上が家計に直結するからこそ、お客様が減ったときの不安や、伸び悩む時期の焦りは避けられません。 それでも「質を落とさず、美味しいサンドイッチを作り続ける」ことだけは決して譲らず、日々を積み重ねてきました。気がつけば、またお客様が戻り、新しい出会いが生まれている。そんな小さな奇跡を繰り返しながら、今に至っています。

3. サンドイッチが紡ぐ、お客様との物語

アウルグリーンのサンドイッチには、ただの「食事」を超えた意味が宿っています。お客様とのやりとりの中には、心に残るエピソードが数え切れないほどあります。

ある日、お会計の時にこんな言葉をいただきました。
「亡くなった姉が、ここのサンドイッチが大好きで。今日は命日なので、お墓に持っていきます。」

また別の日には、急ぎ足で来られたお客様が言いました。
「孫が熱を出して食欲がなくて。でも『アウルグリーンのサンドイッチなら食べたい』と言うんです。」

そして、常連のお客様から突然の別れの挨拶を受けたこともありました。
「実は2か月間の長期出張で鈴鹿に滞在していて、今日が最後なんです。ここのサンドイッチを買うのが楽しみでした。ありがとうございました。」

一つひとつのエピソードに、お客様の暮らしや記憶が刻まれています。サンドイッチは、人の思い出や日常に静かに寄り添っているのです。

4. 地域に根ざす「居場所」として

お店にはさまざまなお客様が訪れます。シルバーカーを押して来られる高齢の方。妊婦さん。学生や仕事帰りの男性ひとりのお客様。 あるお母さんは「困ったときのアウルさん」と呼び、家族の分をまとめて買っていかれます。常連のお客様は「行ってきます」と声をかけて仕事に向かいます。

サンドイッチをきっかけに、懐かしい同級生や元職場の仲間と再会することもあるそうです。 また、日々の営業を支える業者の方々との関わりにも感謝を欠かしません。 こうして生まれるご縁を「大切な宝物」と語るお二人。お店は地域にとって、小さな拠点のような存在になっています。

5. これからの夢

未来への抱負を尋ねると、返ってきたのは大きな野望ではなく、とてもシンプルな言葉でした。 「現状維持」「欲張らずにコツコツ」「細く長く続けていきたい」

変わらずサンドイッチを作り続け、人と人をつなぐ場所であり続けたい。 その気持ちが、このお店の空気をあたたかくしているのかもしれません。

そして、サンドイッチについての答えもまたシンプルです。
「サンドイッチは、笑顔と元気のもと。」

ショーケースの前で迷いながら選ぶお客様のキラキラした目。 「美味しかった」「ありがとう」と伝えてくださる声。 サンドイッチを通じて出会えた友人や知人との再会。

そこにはいつも笑顔があり、元気があり、幸せがありました。

まとめ

アウルグリーンは、ただのサンドイッチ屋さんではありません。 お客様の思い出や日常に寄り添い、地域の人々をつなぐ「小さな居場所」です。

訪れると、どこかほっとする。 迷いながら選ぶ時間も楽しくて、食べれば元気になれる。 そんなサンドイッチが、今日もここで作られています。

サンドイッチを通して届けられる「笑顔と元気」。 その物語はこれからも、静かに、温かく、続いていきます。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)

Owl Green (アウルグリーン)
住所: 鈴鹿市算所3丁目21-2
電話番号:059-324-6788
営業時間:8:00〜16:30(売り切れ次第閉店)
定休日:毎週月曜日、月1回不定休日あり

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