鈴鹿市民は地元野菜を買っている?|地産地消アンケートから見えるリアル【第2部】

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鈴鹿市民は地元野菜を買っている?|アンケートから見えた“リアルな買い物”【第2部】

地産地消に前向きな人は約9割。それでも、日々の買い物では 鮮度価格が強く重視されていました。
第2部では、鈴鹿市のアンケート結果から「応援したい気持ち」と「実際の買い物行動」の間にあるリアルを見ていきます。

📌この記事の3つのポイント

地産地消に前向きな人は約9割
買い物で重視されるのは鮮度93.2%・価格90.5%
地元産を選ぶには「どこで買えるか分かること」が大きなカギ

「応援したい」は、すでに鈴鹿の中にある

まず印象的だったのは、地産地消への前向きさです。

鈴鹿市公式LINEを通じたアンケートでは、 「すでに実践している」26.9%「そう思う」59.6%という結果が出ていました。

あわせると、約9割の人が地産地消に前向きということになります。 「地元のものを応援したい」という気持ちそのものは、鈴鹿の中にしっかりあると言えそうです。

📝 アンケートの概要
  • 対象:鈴鹿市公式LINE「市からのお知らせ」登録者
  • 実施期間:2025年5月9日〜5月23日
  • 回答数:1,496件(回答率15.9%)

ただし、ここで終わらないのが今回の面白いところです。 気持ちは前向きでも、実際の買い物では別の判断軸も強く働いていました。

買い物でいちばん大切なのは「鮮度」と「価格」

野菜を買うときに重視することとして、 最も高かったのは鮮度93.2%、次いで 価格90.5%でした。

数値買い物で重視されていたポイント
1位 鮮度 93.2%
2位 価格 90.5%
読み取れること 「地元だから」だけではなく、日常の買い物として納得できることが大切

これはとても自然な結果かもしれません。 毎日の買い物は、家計や献立、時間とのバランスの中で行われます。

つまり、 地元産を選びたい気持ちはあっても、まずは鮮度と価格に納得できることが前提。 そこに地産地消が乗ってくる、という順番が見えてきます。

直売所はすでに身近な存在になっている

もうひとつ注目したいのが、直売所の利用経験です。

アンケートでは、 市内直売所を利用したことがある人が87.3%と高い割合でした。

利用理由の上位は、「新鮮」78.9%「地元産」65.4%「価格設定」43.4%でした。

ここから見えてくるのは、 鈴鹿ではすでに「直売所で買う」という行動そのものは、 特別なものではなくなっている可能性があるということです。

地元産だから行く、だけではなく、 新鮮で、納得できて、結果的に地元産にもつながっている。 そんな流れが感じられます。

それでも「同じなら地元産でなくてもいい」という本音もある

一方で、今回のアンケートには率直な本音も表れていました。

地産地消に取り組まない理由として最も多かったのが、 「価格や品質が同じなら地元産にこだわる必要はない」65.8% という回答です。

さらに、 「地元産品の価格がお手頃でない」30.4% という声もありました。

💭 この数字が教えてくれること
  • 応援の気持ちだけでは、毎日の買い物は動かない
  • 価格や品質への納得感が欠かせない
  • 「地元産を選ぶ理由」をどう作るかが今後のポイント

この結果は少し厳しく見えるかもしれませんが、 逆に言えば、生活者としてとても正直な感覚でもあります。

毎日の食卓を支える買い物だからこそ、 理念だけではなく暮らしに合うことが求められているのだと思います。

いちばん求められていたのは「どこで買えるか」という情報

今回のアンケートで、今後のヒントになりそうな数字も出ていました。

地産地消に取り組みやすくするために必要な情報として、 最も多かったのは 「購入できる場所の情報」65.6%でした。

情報求められていた主な情報
1位 購入できる場所の情報 65.6%
2位 地元産品の種類の情報 56.4%
3位 旬の情報 44.5%

これはとても象徴的です。 市民がまず知りたいのは、 「地元産を応援しましょう」という理念よりも、 “どこで買えるのか”を迷わず知れることなのだと分かります。

前回の第1部でも触れたように、 協議会では市内量販店約24店舗のうち、約16店舗に地元産コーナーがあると説明されていました。 それでも「買える場所」が求められているのは、 まだまだ見つけやすさに伸びしろがあるということかもしれません。

地産地消の課題は「意識の低さ」ではなさそう

今回のデータを見ていると、鈴鹿の地産地消の課題は「関心がないこと」ではないように感じます。

むしろ、

  • 応援したい気持ちはある
  • 直売所もある程度利用されている
  • でも日々の買い物では鮮度や価格が優先される
  • さらに、どこで買えるか分からないと選びにくい

という、 とても現実的な「買い物の壁」が見えてきます。

「地元のものを買いたい」気持ちと、「毎日の買い物を無理なく済ませたい」気持ち。
その両方をどうつなぐかが、鈴鹿の地産地消の次のテーマになりそうです。

次回の第3部では、 このアンケート結果と協議会での議論をあわせて、 なぜ地産地消が広がりにくいのか、 そして暮らしの中でどんな工夫ができそうかを整理していきます。

※本記事は鈴鹿市公開資料「令和7年度第1回 地産地消推進協議会」および添付資料の内容をもとに構成しています。

すずこれ編集部
この記事を書いた人
松山かな
看護師/すずこれ編集長

三重県鈴鹿市在住。
看護師として働くかたわら、地域メディア「すずこれ」を運営。
鈴鹿の暮らし・子育て・医療・まちづくりを生活者目線で発信しています。

📚 連載|鈴鹿の地産地消「大好きすずか産」
鈴鹿市の地産地消ブランド「大好きすずか産」を、公開資料をもとにすずこれ編集部が解説する連載です。
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