給食は、鈴鹿を好きになる最初の授業|紅茶蒸しパンに込められた歴史と産業【第3部】

鈴鹿の学校給食を読み解く|第3部

給食は、鈴鹿を好きになる最初の授業
― 給食から見えてくる、鈴鹿の食と地域 ―

―― 食べることと地域を知ることがつながる瞬間を整理します ――

📌この記事の3つのポイント

・学校給食が「教育の一環」として位置づけられている理由
・紅茶蒸しパンに込められた、鈴鹿の歴史と産業の物語
・「食べること」と「地域を知ること」がつながる食育の瞬間

給食は、ただの昼ごはんじゃない

学校給食は、栄養を摂るための食事であると同時に、
「教育の一部」として大切に位置づけられています。

それは、毎日食べながら自然に学ぶことができる、
子どもたちにとっていちばん身近な「生きた教材」だからです。

鈴鹿市の学校給食には、
そんな食育の考え方が、献立のひとつひとつに息づいています。

11月1日、「紅茶の日」の給食

鈴鹿市の学校給食では、
11月1日の「紅茶の日」にあわせて、紅茶を使った献立が提供されています。

紅茶蒸しパンや紅茶入りのメニュー。
一見すると「ちょっと特別な給食」に見えるかもしれません。

でもその背景には、
鈴鹿という地域ならではの深い物語があります。

鈴鹿にゆかりのある人物、大黒屋光太夫の話

給食の時間、子どもたちはこんな話を聞きます。

江戸時代、鈴鹿(伊勢国若松)にゆかりのある人物、
大黒屋光太夫が、ロシアの女帝エカテリーナ2世の茶会に招かれ、
日本人として初めて正式に紅茶を飲んだと伝えられていること。

そして、そのエピソードが、
はるか昔の異国の出来事であると同時に、
「自分たちの住む鈴鹿につながる歴史」であることを学びます。

食べている紅茶は、今の鈴鹿の産業から

さらに、この給食で使われている紅茶は、
市内に工場がある「AGF鈴鹿株式会社」から寄贈されたものです。

過去の歴史と、現在の鈴鹿を支える産業。
その両方が、一つの給食の中で自然につながっています。

子どもたちは、紅茶の香りを楽しみながら、
「鈴鹿にはこんなすごい歴史があるんだ」
「この紅茶は鈴鹿の会社で作られているんだ」と、
五感を通じて地域を知ることになります。

「知る」と「食べる」が重なる瞬間

教科書で読んだだけでは忘れてしまうかもしれない知識も、
給食として食べた記憶は、体の感覚と一緒に残ります。

「甘くて美味しかったな」
「地域の歴史を知って誇らしくなったな」

そうした体験と一緒に、
「鈴鹿」という名前が、子どもたちの心の中に温かい記憶として積み重なっていきます。

給食が育てているのは、味覚だけじゃない

・食を支えてくれる多くの人々への感謝
・地元が誇る産業や歴史への理解
・自分たちの暮らしが地域社会とつながっているという実感

これらを、日々の食事を通じて「生きた学び」として伝えていくこと。
それが鈴鹿市の目指す食育の形です。

▶ 松山かなの感想

子どもが家に帰ってきて、
「今日の給食、紅茶の蒸しパンやったよ。鈴鹿の人が初めて紅茶を飲んだんやって!」と話したとき。

その一言の奥に、自分の住む街への小さな誇りが芽生えていたら、
それはとても豊かな教育の時間だったのだと感じます。

給食は、お腹を満たすだけでなく、
鈴鹿を好きになる「最初の授業」なのかもしれません。

松山かな
(看護師/すずこれ編集長)
鈴鹿のお役立ち情報

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