給食は、どうやって毎日続いているのか|1万6千食を支える現場の工夫【第2部】

鈴鹿の学校給食を読み解く|第2部

給食は、どうやって毎日続いているのか
― 給食から見えてくる、鈴鹿の食と地域 ―

―― 1万6千食を支える現場の工夫と判断を整理します ――

📌この記事の3つのポイント

・鈴鹿市の学校給食が「毎日1万6千食」作られているという現実
・地産地消を一過性にしないための、年間を通した食材調達の工夫
・天候不順や物価高騰の中でも給食を届けるための柔軟な判断

毎日、当たり前のように出てくる給食の裏側で

学校給食は、平日の昼になると、当たり前のように子どもたちの前に並びます。

でもその一食一食は、
一日あたり約1万6千食という、とても大きな規模で調理されています。

この「数」を知ると、
給食がいかに計画性と調整の積み重ねで成り立っているかが見えてきます。

年間を通して地元産を使うための工夫

すべての食材を、一年中、同じように地元で確保できるわけではありません。

・大豆
・緑茶粉
・焼きのり

こうした食材について、地元で収穫・加工されたものを調達し、
年間を通して地元産食材を給食に取り入れています。

「旬のときだけ」ではなく、できるところから、安定的に。

この積み重ねが、
地産地消を一過性の取組にしないための土台になっています。

天候不順と物価高騰という、避けられない現実への対応

近年は、気温の上昇や天候不順の影響で、
野菜の収穫時期や収穫量がこれまでと大きく変わってきています。

「例年ならこの時期に出るはずの食材が、今年は極端に少ない」
といった状況も珍しくありません。

さらに、物価高騰によって食材価格の変動も大きくなっています。

こうした状況下でも、子どもたちに栄養バランスの整った給食を確実に届けるため、教育委員会では柔軟な判断を行っています。

・食材選定の適正化
・冷凍野菜の活用

食材の旬や地産地消とのバランスを大切にしながらも、
市場の状況に応じて最善の献立を維持する工夫が続けられています。

給食センターと自校調理校、それぞれの役割

鈴鹿市には、給食センター方式の学校と、自校調理校があります。

地産地消の考え方自体は同じですが、
調理規模の違いによって、食材の納入状況にはそれぞれの特性があります。

・給食センター:数千食を一度に調理するため、安定供給が可能な大規模事業者からの納入が中心
・自校調理校:数百食規模のため、近隣の小規模事業者からの納入も柔軟に取り入れやすい

それぞれの強みを活かしながら、可能な範囲で地元産食材の活用が進められています。

「理想」よりも、「続けられる形」を選ぶという判断

地産地消について語るとき、
つい「もっと地元産を増やせないの?」という声が浮かびます。

でも、学校給食において何より優先されるのは、
毎日、安全であるとともに、確実に子どもたちに届くことです。

無理な調達を強行すれば、
どこかで供給の滞りや安全面への影響といった歪みが生まれてしまうかもしれません。

だからこそ、鈴鹿市の給食は理想だけを追いかけるのではなく、
現実と向き合い、「続けられる選択」を積み重ねています。

それが結果として、地域の食を支え続けることにつながっているのです。

▶ 松山かなの感想

看護の現場でも、「理想通りにできない」ことはたくさんあります。

でも、無理をして壊れてしまうより、
少しずつでも「続けていくこと」の方が、ずっと大切な場面も多い。

給食の現場から伝わってくるのは、
現実と真摯に向き合い、子どもたちの「当たり前の昼食」を守ろうとする強い責任感でした。

👉 次回・第三部

給食を通して「鈴鹿の歴史」「産業」「人の思い」をどう子どもたちに伝えているのか――
紅茶蒸しパンのエピソードを中心にお伝えします。

松山かな
(看護師/すずこれ編集長)
鈴鹿のお役立ち情報

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