人がいるから、神社が生きている|神戸宗社・鈴本宮司インタビュー【第1部】|すずこれ

連載第1部|神戸宗社インタビュー

人がいるから、神社が生きている

―― 神戸宗社・鈴本宮司が守り続けてきたもの ――

📌この記事の3つのポイント

・神戸宗社が2000年続いてきた理由は「人とのつながり」にあった
・11代目宮司として継いで初めて見えた“神社の裏側”
・「今日もありがとうございました」で一日を終える、静かな覚悟

はじめに

「場所の魅力って、結局は“人”なんだと思うんです。」

今回の取材で、私がいちばん大切にしたかったのは、神戸宗社という“場所”だけでなく、そこで日々向き合い、守り続けている“人”の言葉を届けることでした。

どれだけ歴史のある神社でも、どれだけ立派な社殿でも、そこに立つ人の姿勢が伝わらなければ、心には残りません。

神戸宗社の宮司、鈴本信大さん。
その言葉や佇まいから感じたのは、「神社とは何か」を静かに問い続けてきた人の誠実さでした。

1. 2000年続いてきた理由は、「人とのつながり」

神戸宗社のはじまりは、約2000年前。
倭姫命の御巡幸にまつわる由緒を持ち、伊勢国神戸の氏神として、時代ごとに役割を変えながら守られてきました。

けれど鈴本宮司は、その歴史を語るとき、「神様とのつながり」だけを強調されることはありませんでした。

「神社を介して、人と人がつながっていく。
それを広げていくことが、ずっと大切にされてきたことだと思います。」

先代の宮司も、地域の人とよく顔を合わせ、酒席にも足を運び、言葉を交わしてきたそうです。

神社が“特別な場所”でありながら、同時に“身近な存在”であり続けてきた理由が、その一言に凝縮されているように感じました。

2. 継いで初めて分かった、神社の「裏側」

鈴本宮司は、神戸宗社歴代11代目。
幼い頃から、祭りや行事を身近に見て育ってきました。

けれど実際に宮司として神社を担うようになって、見えてきたのは「表には出ない仕事」でした。

祭り一つを行うにも、事前の準備、地域との調整、神社同士のつながり、そして細かな事務作業が積み重なっています。

「見てきたのは、いいところだけだったんだな、と。」

そう振り返る言葉には、継承する側になって初めて分かる重みがにじんでいました。

3. 一日の終わりに、境内で思うこと

平日は学校勤務。
土日を中心に、神社の仕事に向き合う日々。

人が多く訪れる日もあれば、静かに時間が流れる日もあります。

一日の終わり、境内を閉めるとき。
鈴本宮司は、こう言って頭を下げるそうです。

「今日も終わりました。ありがとうございました。」

それは誰かに向けた言葉であり、神様への感謝であり、そして自分自身への区切りの言葉なのかもしれません。

「神社は、変なプレッシャーを背負う場所じゃない。」
そんな距離感が、この場所の空気をやさしく保っているように感じました。

おわりに

神戸宗社が2000年続いてきた理由は、立派な建物や由緒だけではありません。

人と向き合い、
人の声を聞き、
人とのつながりを何より大切にしてきたこと。

その積み重ねが、今もこの神社を“生きた場所”にしているのだと思います。

次回の第2部では、「令和の大改修」を“今やる”と決めた理由と、その裏にあった葛藤や合意形成のリアルについて、もう一歩踏み込んでお伝えします。

✏️ 編集長:松山加奈の感想

今回のお話で心に残ったのは、「変わらないもの」と「変わらざるを得ないもの」を、きちんと見分けておられる姿勢でした。
人とのつながりは守る。けれど、形は時代に合わせて考える。
その柔らかさが、神戸宗社の空気をつくっているように感じます。

一日の終わりに「ありがとうございました」と言える場所。
それは、訪れる人にとっても、守る人にとっても、心をそっと整えてくれる場所なのだと思いました。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)
神戸宗社インタビュー|連載まとめ

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