三重県のジェンダーギャップはどこにある?|賃金・働き方・家事育児の現実【第2部】

連載|三重県ジェンダーギャップ解消基本戦略(案)【第2部】

三重県のジェンダーギャップは、どこにある?

―― データで見る「働き続けにくさ」の正体 ――

📌この記事の3つのポイント

  • 三重県で特に大きい「経済分野のジェンダーギャップ」
  • 賃金・雇用形態・家事育児がどうつながっているか
  • 「努力不足」では説明できない現実

数字で見ると、何が起きているのか

前回の記事では、三重県が「ジェンダーギャップ」を人口減少対策の柱に据えた背景を見てきました。

今回は一歩踏み込んで、県の戦略(案)に示された具体的なデータから、三重県の「働きづらさ」の正体を整理してみたいと思います。

男女の賃金差は、月8〜9万円

三重県では、フルタイムで働く男女を比べても、男性の平均賃金が女性より月に8〜9万円ほど高いという結果が示されています。

月8万円というと、年間では約96万円。子どもの習い事や、急な医療費、将来の貯蓄や老後資金など、生活に直結する差です。

この差は、「同じ仕事をしているのに評価が低い」という単純な話だけではなく、働き方そのものの違いとも深く関係しています。

女性に多い「非正規」という選択

三重県では、女性の非正規雇用率が全国でも高い水準にあります。

一方で特徴的なのは、「正規の仕事がないから仕方なく非正規」という人よりも、自ら選んで非正規で働いている人が多いとされている点です。

ここで大切なのは「選べたかどうか」

正規だと時間が合わない/子どもの体調不良に対応しづらい/家事や育児を担う前提で働き方を決めざるを得ない…。 そうした状況の中で選んだ非正規は、本当に「自由な選択」と言えるでしょうか。

出産・育児で、キャリアが分断される

三重県では、女性の平均勤続年数が男性より4年以上短く、この差は全国平均よりも大きいとされています。

背景には、出産や育児をきっかけに退職する、正規から非正規に切り替えるといったキャリアの分断があります。

一度キャリアが途切れると、管理職への道や賃金アップの機会から外れやすくなります。

その結果、「長く働いても将来が見えにくい」と感じ、県外での就職を選ぶ人が増えていく。そんな循環が生まれていることが、戦略の中で指摘されています。

家事・育児の時間差が、働き方を縛る

もう一つ、見逃せないのが家事・育児にかかる時間の男女差です。

三重県では、家事の8割以上、育児の6割以上を女性が主に担っている家庭が多く、1日の家事・育児時間は男性より約2時間半多いとされています。

この時間差がある限り、フルタイムや責任の重い仕事を選ぶのは、どうしても難しくなります。

▶ 松山かなの感想:
看護の現場でも、「働きたい気持ちはあるけれど、今は無理」という声を、何度も聞いてきました。
それは意欲の問題ではなく、生活全体のバランスの問題だったと、改めて感じます。
今回のデータを見て、「がんばれば何とかなる話ではなかったんだ」と、言葉にできた気がしました。

次回予告

次回の第3部では、三重県がこの状況をどう変えようとしているのか、「共働き・共育て」を前提にした未来像と、3つの戦略の中身を、やさしく整理していきます。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)
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