【連続取材】グリーフケアサロン「てとて」第3部|心を“回復”ではなく“開放”する「ほっとカフェ」

【連続取材|グリーフケアサロン「てとて」第3部/全4部】
心を“回復”させる場所ではなく、“開放”する場所 ―― 「ほっとカフェ」という居場所 ――

📌この記事の3つのポイント
  • 「ほっとカフェ」という名前に込められた想い
  • 初めて来る人が感じる不安への配慮
  • 否定せず、最後まで話を聞くという姿勢

「ほっとカフェ」という名前にした理由

「てとて」で定期的に開かれている集まりのひとつが、「ほっとカフェ」です。

実際の内容は、いわゆる“分かち合いの会”に近いものですが、Chikaさんは、あえてその言葉を使いませんでした。

「分かち合い、という言葉だと、少し堅苦しく感じてしまったり、参加のハードルが高くなる人もいると思って。」

お茶を飲みながら、同じ空間で、話してもいいし、話さなくてもいい。何をして過ごしてもいい。

そんな、カフェのように“ほっとできる場所”であってほしい。その想いから、「ほっとカフェ」という名前がつけられました。

最初は、みんな不安な気持ちで来る

「ほっとカフェ」に来る人の多くは、最初、不安な気持ちを抱えながら扉を開きます。

何を話せばいいのか分からない。泣いてしまうかもしれない。そもそも、自分が参加していいのか分からない。

だからこそ、Chikaさんが最初に大切にしているのは、安心できる空気をつくることです。

とにかく、最後まで話を聞く

「ほっとカフェ」では、いくつかの簡単なルールがあります。

けれど、それは、誰かを縛るためのものではありません。

傷を抱えた人が、また別の傷をつけられる場所であってはいけない。

そのために、否定しない。評価しない。アドバイスをしない。

そして、話し始めた人の言葉を、とにかく最後まで聞く。

視覚的にも意識できるように、ルールを書いた紙を、参加者の目の前に置く工夫もされています。

話さなくてもいい、という選択

「ほっとカフェ」では、話すことを強制されることはありません。

誰かの話を、ただ聞いているだけでもいい。同じ空間で、同じ時間を過ごすだけでもいい。

それぞれが、自分にとって無理のない距離感で、その場にいられること。

それが、心を“回復”させるのではなく、心を“開放”する場所である理由なのだと感じました。

参加して「よかった」と思える時間

これまでに開催された、ほっとカフェやランチ会、お茶会には、リピーターとして何度も足を運ぶ人も多いそうです。

「こんな場所が欲しかった。」「このような場所を作ってくれてありがとう。」「お友達ができた。」

そんな声が、少しずつ集まってきました。

▶ 松山かなの感想

話すことよりも、“安心してそこにいられること”が、どれほど大切か。

看護の現場とも重なりながら、「何もしない」ことの意味を、あらためて考えさせられました。

次回予告|連続取材 第4部

次回は、鈴鹿という地域で活動する意味と、悲しみを抱えた人が「辿り着ける場所」であるための課題、そしてChikaさんが描いているこれからについて、お伝えします。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)

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