【第2部】「子どもの最善の利益」を守るって?|きしだこども園の日常

【第2部】「子どもの最善の利益」を守るって、どういうこと?— きしだこども園の日常から

📌この記事の3つのポイント
  • 理念は「特別なこと」ではなく、毎日の積み重ねとして現れている
  • 0〜2歳は愛着形成、3〜5歳は実体験——年齢に応じた育ちを大切に
  • 異年齢の関わりが、思いやり・自信・頼る力を自然に育てている

はじめに

「子どもの最善の利益を守る」——言葉としては耳にするけれど、実際にはどんな姿なんだろう。

きしだこども園の園長先生が語ってくださったのは、理念を“掲げる”のではなく、“日常に落とし込む”という感覚でした。

第2部では、園での暮らしの中にある具体的な工夫を通して、「子どもの最善の利益」という言葉を、できるだけ生活に近いところからひもといていきます。

1. 「毎日を、安心して、楽しく。」を土台にする

園のベースにあるのは、子どもたちが毎日を安心して過ごし、「楽しい」と感じられる環境づくりです。

特別なイベントだけではなく、朝のあいさつ、遊び、食事、着替え、午睡——そうした生活の積み重ねが、心と体の健やかな成長を支えていく。

「今日もここは安心できる場所だ」と子どもが感じられることは、挑戦する力の“根っこ”になるのだと思います。

2. 生きる力の“基礎”を育てる——答えを教えるより、考える機会を

きしだこども園では、「生きる力の基礎を育てる」ことを大きな柱に据えています。

自然に触れ、人と関わり、自分で考えて行動する力。園長先生の言葉で印象的だったのは、

「答えを教えるより、考える機会を」という姿勢でした。

大人がすぐに“正解”へ導くのではなく、子どもが自分の頭で考えたり、試したりする時間を確保する。その余白が、子どもの主体性を育てていくのだと感じます。

3. 異年齢の関わりが、思いやりと自信を育てる

園の日常には、年上も年下も一緒に育っていく場面があります。給食の時間や保育時間外など、生活の中で自然に関わりが生まれるのだそうです。

  • 年上の子が年下の子を気にかける(お世話をする・声をかける)
  • 年下の子が年上の子の姿を見て、真似しながら学ぶ

この関わりの中で育つのは「優しさ」だけではありません。

助けたり、助けられたりする経験が、「自信」や「頼る力」「他者を思いやる心」につながっていく——園長先生の言葉から、そんな“育ち合い”の空気が伝わってきました。

4. 0〜2歳:愛着形成を、ゆったり丁寧に

0〜2歳の時期に大切にしているのは、愛着形成です。

五感を使った遊びや、基本的生活習慣の獲得を目指しながら、ひとりひとりのリズムや気持ちに寄り添う。急がせず、安心を積み重ねる。

「今この子に必要な関わり」を丁寧に探りながら、ゆったりとした保育を行うことが、次の成長段階への土台になっていくのだと思います。

5. 3〜5歳:実体験で、表現力と協力する力を

3〜5歳では、遊びや自然体験、友だちとの関わりを通して、「自分の思いや考えを表現する力」「協力する力」を育てていきます。

きしだこども園は園外活動も積極的に取り入れ、地域の自然や人との出会いを大切な“学び”にしているそうです。

机の上の知識よりも、手で触れて、目で見て、心が動く実体験。そうした経験が、子どもたちの言葉や行動を豊かにしていくのだと感じました。

6. 「伝わる・見える・共有できる」保護者との関係づくり

理念を日常で支えるには、園の中だけで完結しません。家庭と園がつながり、子どもの育ちを共有できることが大切です。

きしだこども園では、連絡帳に加え、写真、Instagram、面談などを通して、園での様子が「伝わる」「見える」工夫を重ねています。

保護者が安心できるほど、子どもはもっと伸びていく——そんな信念が、日々のやり取りの中に息づいているように感じました。

✏️ 編集長:松山かなの感想

「子どもの最善の利益」という言葉は、立派だけれど、どこか遠く感じることがあります。

でも、きしだこども園のお話を聞いて、私はそれが“特別な正解”ではなく、日々の生活の中で「安心」「実体験」「関わり」を積み重ねることなんだと腑に落ちました。

年齢に応じた関わり方があり、異年齢の育ち合いがあり、家庭と園が共有し合う工夫がある。そういう一つひとつが、子どもにとっての「ここで大丈夫」を育てているのだと思います。

次回(第3部)は、園が地域に開き続ける理由——一時保育や「ひよこクラブ」など、地域支援の取り組みと、その背景にある想いをご紹介します。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)

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