【第1部】小さな「できた!」を、いちばん近くで|きしだこども園 園長先生の想い

【第1部】小さな「できた!」を、いちばん近くで。— きしだこども園・園長先生の想い

📌この記事の3つのポイント
  • 運送業から保育の世界へ――“こころが動いた”原点
  • 65年の歴史に流れる「すべての子どもに居場所を」という想い
  • 園長先生が大切にするのは、日常の小さな「できた!」の積み重ね

はじめに

「園長先生って、どんな人なんだろう」――取材の入口は、そんな素朴な興味でした。

きしだこども園の園長・真昌一竜(まさかい かずたつ)さんは、もともと運送業の会社員。まったく別の世界から、子どもたちのいる現場へ飛び込んだ方です。

それでもお話を聞くほどに感じたのは、「特別な理想」よりも、「目の前の子どもを大切にする実感」を積み重ねてきた人なんだ、ということ。

第1部では、園長先生の原点と、きしだこども園に流れる“変わらない想い”をご紹介します。

1. もともとは運送業。転機は「遠足のバス運転」でした

園長先生は、結婚をきっかけに、奥さまの実家が運営する社会福祉法人「微笑会」で働くことになったそうです。

最初は、異業種への転職に不安もあったといいます。けれど、遠足のときにバスの運転を頼まれて、子どもたちと関わる時間が増えていく中で――

「こころが動く」感覚があった。

その実感が、覚悟を決めてこの世界へ進む背中を押しました。仕事の“向き不向き”より先に、子どもたちと過ごす時間そのものが、人生の軸になっていったのだと思います。

2. 65年の歴史。「すべての子どもに、あたたかな居場所を」

きしだこども園は、2025年に開園65年を迎えました。はじまりは、創立者・真昌智海(まさかい ちかい)さんが願った「すべての子どもたちにあたたかな居場所を」という想い。

小さな無認可保育施設から始まった歴史が、地域に支えられながら、今日へとつながっています。

園長先生は、この“原点”を守りながらも、時代の変化に合わせて柔軟に進化させていくことが使命だと話します。

伝統と変化は、どちらか一方ではなく、両方が必要。そのバランス感覚が、言葉の端々から伝わってきました。

3. 日常の「できた!」が、いちばんのご褒美

園長先生が「やりがい」を語るとき、出てくるのは大きな成果よりも、日々の小さな瞬間でした。

たとえば――

  • 泣いてばかりだった子が、ある日ふっと笑顔で「おはよう」と言えたこと
  • 靴を自分で履こうと、懸命にがんばる後ろ姿

こうした一瞬一瞬に立ち会えることが、自分のエネルギーになるのだといいます。

「できた!」は、誰かと比べて生まれるものではなく、その子のペースで育つもの。だからこそ、いちばん近くで見守る大人の存在が、子どもにとって大きな安心になるのだと思います。

4. 「育ちを一緒に喜び合える」パートナーでありたい

園長先生が繰り返し大切にしていたのは、園と家庭の関係です。

子どもを真ん中に、家庭と園がパートナーとしてつながること。送迎時の会話、連絡帳(写真も活用)、Instagramでの発信、そして必要に応じた個別面談。

丁寧な対話とICTの活用を両立させながら、「子どもの育ちを一緒に喜び合える関係」をつくりたい――その姿勢が、園全体の空気を形づくっているように感じました。

5. いま強く意識しているのは「事業の継続」

少子化や社会の変化が進む中で、園長先生が特に意識している言葉が「事業の継続」でした。

地域にとって必要とされ続ける園であるために、柔軟な発想と挑戦を止めないこと。歴史が長いからこそ、“守るために変わる”視点が欠かせないのだと思います。

「地域の土台」であり続ける。そのための静かな覚悟が伝わってきました。

✏️ 編集長:松山かなの感想

園長先生のお話を聞いて、いちばん印象に残ったのは、「大きな言葉」よりも「目の前の子ども」に焦点が合っていたことでした。

泣いていた子が笑って「おはよう」と言えた日。靴を履こうとがんばる背中。そういう小さな一歩を、いちばん近くで“当たり前に”喜べる大人がいることは、子どもにとって本当に大きな安心だと思います。

そして、65年の歴史を受け継ぎながら「事業の継続」を語る姿には、地域の子育てを支える拠点としての責任と、誠実さを感じました。

次回(第2部)は、きしだこども園の理念が、日常の中でどんなふうに形になっているのか――“子どもの最善の利益”という言葉を、現場の視点から一緒にひもといていきます。

松山かな(看護師/すずこれ編集長)

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