“鈴鹿ぶどう”という新しい挑戦|鈴鹿の七樹さん

— 茶どころ・鈴鹿で育つ、あたらしい果樹のかたち —

編集長:松山加奈

📌この記事の3つのポイント

  • 茶の産地・鈴鹿で始まったブドウ栽培の背景と工夫
  • 若手担い手・加藤さんの就農ストーリー
  • 「鈴鹿ぶどう」が地域の誇りになる日を目指して

茶の町・鈴鹿で、あえてブドウに挑む

今回お話を伺ったのは、碾茶(抹茶の原料)の栽培・加工を主軸とする「鈴鹿の七樹」さん。
これまで茶葉中心に展開してきたなかで、「鈴鹿市ではまだ珍しい作物にも挑戦してみたい」という想いから、新規事業としてブドウ栽培をスタートされました。

選ばれた品種は、糖度が高く贈答用にも人気の赤ブドウ「クイーンニーナ」と、安定した人気を誇る「シャインマスカット」。いずれも“映え”と品質を両立できることから、初期投資を伴いつつも導入を決めたそうです。

品質を揃える独自の栽培技術

導入しているのは「盛土式根圏制御栽培法」。土壌・水・肥料・枝長などを定量管理することで、定植からわずか2年目で収穫に至ることが可能になります。

2025年の収穫数はおよそ2,400房。
クイーンニーナは色付けが必要なため棚の上段に、シャインマスカットは色付け不要のため下段に配置し、それぞれ最適な日照を確保しています。

ただし、今年は夜間の気温が下がらず、寒暖差が得られにくい状況に。そこで水を撒いてハウス内の温度を下げるなど、日々のきめ細かい工夫で対応されていました。

贈り物にも選ばれる「鈴鹿ぶどう」

黒地に金文字の化粧箱は、高級感と清潔感を演出。お中元や贈答用として注文が多く、お盆以降は通常品も好調とのことです。

購入者からは「粒が大きく甘い」「他にはない食感がある」との声が多く寄せられており、SNSによる若年層への広がりと、紙チラシでの地域高齢層へのアプローチも並行して行われています。

口コミでもファンが増え、少しずつ「鈴鹿のぶどう」として認知が広がってきているそうです。

加藤さんという担い手の存在

今回の取材で印象的だったのが、担当として現場を支える加藤さんの存在です。

もともと会社員として働いていた加藤さんは、実家が農業をしていた影響から「いつか自分でも作物を育てたい」という思いを持っていたそうです。

一度はご両親から反対されたものの、最終的には応援を得て転身。現在は生産・発信の現場で幅広く活躍されています。

「農業に興味があるなら、まずはやってみる。作りたい作物があるなら、生涯かけて追求するくらいの覚悟が必要だと思います」

そう語る加藤さんの姿には、農業に対する真摯な想いと“挑戦すること”の大切さがにじんでいました。

子どもたちに伝えたい、「挑戦する農業」

「鈴鹿ぶどう」という存在がまだ知られていないからこそ、子どもたちにこそ見て、知ってほしい。
そんな想いから、今後は農場見学などの受け入れも検討されているとのこと。

将来的には「鈴鹿といえばぶどう」と言われるような地域ブランドに育て、誇れる作物として根付かせたい──そんなビジョンも語ってくださいました。

編集後記(文:松山加奈)

加藤さんのお話を通じて、改めて「挑戦できる人が地域を動かす」ことを実感しました。
鈴鹿の土に根付きながら、既成概念にとらわれずに果敢に進む姿に、大きな刺激を受けました。

子どもたちがいつか、「鈴鹿ぶどうって、うちの地元なんだよ」と自慢できる日がきっと来ると信じています。
これからも、現場の声を大切に伝えていきたいと思います。

松山加奈(看護師/すずこれ編集長)

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